2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書)
ブルームによれば、「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」
一見いますぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、じつは物事を考えるときの「参照の枠組み」として非常に重要
学問や学びは、答えを知ることではなく、先人たちの思考や研究を通して「新しい視点」を手に入れること
「わかりやすい答え」を求める人向けにインスタントな教えやノウハウを提供するのは簡単だが、意味がない
「どこかに絶対的に正しい答えがあるんじゃないか」と考えること自体をやめること
バイブルとカリスマの否定が
「自分の人生は自分で考えて自分で決めてください」これに尽きる
自燈明
わしが死んだら、自分で考えて自分で決めろ。大事なことは全て教えた
自ら明かりを燈せ
他の誰かがつけてくれた明かりにしたがって進むのではなく、自らが明かりになれ
自分で考えるために、考える枠組みが必要
その枠組みが教養であり、リベラルアーツである
薀蓄や知識をひけらかすために教養があるのではない
右手にロジック、左手にレトリックを
「言葉」によって正しい認識にいたり、「言葉」を磨くことでその認識の確度をあげていく。そして「言葉」を使って相手の行動を変えていくことで、仲間を増やし、世の中のルールや空気を変えていくことが可能
若者はただ立ち上がっても勝てないので、いま団結している中高年の方々に対する「分作工作」が必要なわけです(笑)
身も蓋もない「パラダイムシフト」
古い考えの旧世代の人たちが死ぬ。パラダイムシフトとは世代交代
新しくて正しい理論は、いかにそれが正しくても、古くて間違った理論を一瞬で駆逐することはない
長い時間をかけて、結果論としかパラダイムはシフトしない
正しい選択をし続ければ、いつか必ず世界は変わる
「僕がかわいそうだからどうにかしてほしい」ではなく、「あなたが得をするからこうすべきだ」。これ、交渉の超基本になります。
モノを売ったり相手の関心を得るときに大切なのは、「セグメンテーションされた情報を与える」ということです。「相手のニーズに応じたもの」
交渉の本質というのは、どっちかというと「情報戦」に近くて、いかに相手側から情報を集めるかで決まるんです。
交渉とは、
「自分の都合」ではなく、「相手の利害」を分析する、
そのためには、「話す」のではなく「聞く」、
そして、非合理な相手は「猿」だと思って、研究する(笑)。
一般的にいえば、30ぐらいになったら自分の人生のチップをどのへんに置けばいいかって、見えているはずですよね? もし見えてないとしたらヤバいですよ、ってことですかね。それを先に決めることをおすすめします。40ぐらいになっても人生の無限の可能性とかを追求してたりしたら、かなり痛いやつじゃないですか(笑)。
逆に、置くべきチップが見えてる人は、「大人」として、自分より若い人たちをバックアップしてあげてください。
政治にしろビジネスにしろ、革命の裏には大人の支援者がいて、見込みのある若者たちを助けてあげてるんですね。そういった、あるべきエスタブリッシュメント層の人間を目指してみては、いかがでしょうか。
その人にしかないユニークさ」というのが、いちばん盗めない
つまり、大学で学んだこととか、昔からの友だち関係とか、その人が人生の中でもともと持っている「バックグラウンド」が、やはりいちばんの差別化要因になるんです。
ただ、みなさん自身が今いる場所で、ちょっとだけでも変えられることがあるんじゃないかと。自分が興味あることをトライアンドエラーでやってみたり、自分が正しいと思うことを選択してみたり。
それをネットワークで広げていけば、少し長い時間はかかるかもしれませんけど、たぶん社会は変えていけるんじゃないかと思うんですね。